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2026/07/08 16:16
「オリーブオイルは体にいい」
「バターは動脈硬化のもと」
そう思っていませんか?
実は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸では、
体の中での「酸化のしやすさ」が
まったく異なります。

*体にいいかどうかは「酸化するかどうか」
油が体にいいか悪いかの根本は、「植物性か動物性か」だけでなく、「熱・光・酸素にさらされたときに酸化するかどうか」にあります。
構造が安定している油(=飽和脂肪酸)であれば、体内でも酸化されにくく、細胞にダメージを与えません。
逆に、構造が不安定な油(=多価不飽和脂肪酸/PUFA)は酸素と反応しやすく、体内で酸化した脂質(過酸化脂質)を生み出します。これが「サラダ油は体に負担がかかる」と言われる正体です。
*飽和脂肪酸、何が違うのか
飽和脂肪酸(バター・ラード・ココナッツオイルなど)は、炭素同士がすべて単結合でつながった「安定構造」です。消化・吸収されても酸化しにくく、細胞膜やミトコンドリア膜の材料としても安定して働きます。
一方、不飽和脂肪酸、特にPUFA(サラダ油・キャノーラ油・大豆油・コーン油、そして「体にいい」とされるえごま油や魚油も含む)は二重結合を複数持ち、化学的に不安定です。
*コレステロール値という「一つの数字」
「不飽和脂肪酸=善、飽和脂肪酸=悪」という
図式は、主にコレステロール値を
基準にした話です。
でも本当に見るべきは、
その油が体内でどう振る舞うか——
酸化のしやすさと、
細胞・ミトコンドリアへの影響です。
*酸化した脂質は、ミトコンドリアを傷つける
PUFAは体内で脂質過酸化反応を起こします。この過程で生まれるのが、AGEs(終末糖化産物)と並んで語られるALEs(脂質過酸化最終産物)です。
ALEsは細胞膜、特にミトコンドリア膜にダメージを与えます。ミトコンドリアはエネルギー(ATP)を作る場所です。ここが傷つくと、細胞のエネルギー産生能力そのものが落ちていきます。
「体にいいはず」の油を摂り続けることで、実は代謝の土台であるミトコンドリア機能を、じわじわ低下させている——そんな可能性があるのです。
慢性的な疲労感、冷え、回復力の低下。「年齢のせい」「体質だから」と片付けられがちなこれらの不調の背景に、油の質が関わっているケースは少なくありません。
* 選ぶべき油、控えたい油
選ぶべき油(酸化されにくい・安定した油)
バター、ギー、ラード、牛脂などの動物性脂肪、ココナッツオイル
*控えたい油(酸化しやすいPUFA主体の油)
サラダ油、キャノーラ油、大豆油、コーン油、綿実油。市販のドレッシングや揚げ物、加工食品にも多用されています。
ポイントは、「植物性か動物性か」ではなく、構造的に酸化しにくいかどうかで選ぶという視点の転換です。
◎ 油だけでは、代謝は整わない
もう一つ大切なのが、
糖代謝が土台にあってこそ、
油の話が活きるという点です。
前回お伝えした通り、
細胞がきちんと糖をエネルギーとして
使える状態でなければ、
いくら油を見直しても、
代謝全体は整いません。
油だけを変えても、根本は変わらないのです。
油について、もっと知りたい方へ
「体にいいと言われているから」で選ぶのではなく、「なぜそう言われているのか」を一度立ち止まって見る。表面的な情報に振り回されず、体の構造そのものを理解すること。それが、本質的に整うための第一歩です。
油の選び方、糖代謝との関係、日々の食事にどう落とし込むか——もう少し深く知りたい方は、体と心の相談室でも個別にお話ししています。